「原理」と「公理」の使い分け
物理で「原理」というとき,数学でいうところの「公理」の意味であるように思っていた.要するにある理論体系の出発点としておかれる仮定で, 何かから導かれるものではない. 例えば,新物理入門という本では
原理の正しさは何によって保証されているのかといえば, それは,そこから導き出される諸法則が経験的・実験的事実をよく説明する ということである.
とある.ところが実際は他の意味で,数学でいうところの「定理」で使われることもある(例えば,てこの原理).そもそも,数学でも公理系のとりかたによって公理であったものが定理になったりすることもある.しかし,物理のひとたちの方はあまり使い分けについて気にしていないように感じられる(帰納と演繹の違いだろうけど).個人的にはなるべく最初に書いたような意味で使いたいと思っている(こだわるほどでもないが).
LaTeXで定理を書く その2
前の記事で,amsthmでのproof環境が設定しづらいと書いた.このことについて,thmtoolsを使えばいろいろと簡単にいじれそうである.
まずプリアンブルに\usepackage{thmtools}
と書き,定理環境を次のように定義する
\declaretheoremstyle[ spaceabove=6pt,spacebelow=6pt, headfont=\normalfont\bfseries, notefont=\normalfont,notebraces={(}{)}, bodyfont=\normalfont, postheadspace=\newline, numbered=no, qed=\qedsymbol, headpunct={} ]{prf}
設定する項目にイコール(=)で細かく定義できるので使いやすいと思う.さらにこのパッケージは\listoftheorems
と書くだけで定理の目次をつくれたりする.定理環境での設定できる項目についてはこのページのPackage Documentationにある.
LaTeXで定理を書く
TeXで定理や定義を書くときはthorem環境かamsthm環境を使う.以下ではamsthm環境について説明する.amsthm環境を使う場合はプリアンブルに\usepackage{amsthm}
と書き,\newtheorem{名前}{表示したいタイトル}
で定義する.例えば\newtheorem{th.}{Th.}
として本文で
\begin{th.} 定理の内容 \end{th.}
と書く.証明環境は初めから定義されているのでプリアンブルには何も書かずに本文に
\begin{proof} 証明の内容 \end{proof}
と書けば斜体でproof.というタイトルが付き,自動で証明終わりの記号(白抜きの四角)が入る.(つまり四角を手動で入れるならproof環境である必要は無いのか?)
このproof環境は最初に定義した定理環境と違いカスタマイズが面倒である(ググると\makeatletter
を使ってproof環境を再定義したりしている人がいる).なので\newtheorem*{pf}{Proof}
とする方が簡単かもしれない.
そうすれば他の定理環境同様,\theoremstyle
によるカスタマイズが可能となる.
定理環境の本文が斜体にならないようにするには\theoremstyle{definition}
だけで良い.
theoremstyleを自前で定義するには次のようにする.(引用元)
\newtheoremstyle{jplain}% name
{}% space above
{}% space below
{\normalfont}% body font
{}% indent amount
{\bfseries}% theorem head font
{.}% punctuation after theorem head
{4pt}% space after theorem head (default: 5pt)
{\thmname{#1}\thmnumber{#2}\thmnote{\hspace{2pt}(#3)}}% theorem head spec
この\newtheoremstyle
により,proof環境の四角マークやタイトルの終わりに付くドットをなくすことができる.例えば次のようにすれば良い.
\newtheoremstyle{break} {}{} {\normalfont}{} {\bfseries}{} {\newline}{} % \newtheorem*{pf}{Proof}
このように書くとproofの後にドットがつくところを改行にすることができる(アスタリスクは証明に番号を付けないようにするためのもの).どうしても\begin{proof}
と書きたければ
\newtheorem*{Proof}{Proof} \renewenvironment{proof}{\begin{Proof}}{\end{Proof}}
とすると良い.同様に名前を付ける際には,既に定義されているものは使用できないことに注意.例えばdef
やth
などは使えない.
[追記]